大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)505 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人石川勲蔵の上告理由第一点について。

論旨は、違憲をもいうが、その実質は、上告人は訴外D株式会社より本件物件の

占有の移転を受けたから、これにより本件物件の所有権を取得したものというべき

であるのに、原判決は右の事実を無視して上告人の所有権取得を否定したのは違法

であると主張することに帰する。

しかしながら、上告人の原審における主張は、上告人において訴外E株式会社よ

り本件物件を買受けたものであるが、かりに右訴外会社が本件物件の所有権を有し

なかつたとしても、民法一九二条により本件物件の所有権を取得したというにある

から、訴外D株式会社が訴外E株式会社の占有代理人として本件物件を占有する場

合であれば格別、原判示によるもそのような事実の認められない本件においては、

売渡人である訴外E株式会社以外の者から本件物件の占有移転を受けたからといつ

て、上告人が民法一九二条によりその所有権を取得するものとなすべき根拠を見出

し得ない。したがつて、原判決に所論の違法はない。

論旨は採用できない。

同第二点について。

論旨は、本件の荷渡依頼書の交付によりこれに記載された本件物件の所有権が被

交付者に移転すると解すべきであるというけれども、そのように解すべき根拠がな

いとした原審の判断は、その挙示の証拠に照し当裁判所も正当としてこれを是認す

る。したがつて、原判決に所論の違法はない。

論旨は採用できない。

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同第三点について。

上告人が民法一九二条により本件物件の所有権を取得したとの上告人の主張を是

認し得ない旨判示した原判決の正当であることは、既に説示したところにより領解

すべきである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

原判決に所論の違法はないから、論旨は採用できない。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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